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こんにちは。kouです。
働き方改革関連法が2019年の春に施行されて以来、世間ではブラック企業が徐々に減り、ハードワークを行わない企業が増えてきました。
一見、労働者にとっては良いように見えるこの環境ですが、中には将来をダメにするゆるブラック企業も相当量増えてきています。
そこで今回は、ゆるブラック企業とはどんな企業なのか。ゆるブラック企業で働くとどういった将来が待っているのかを説明し、危機感を抱いた方がどう行動するべきなのかを説明したいと思います。
ゆるブラック企業の特徴
ゆるブラック企業とはどんな企業かと言うと、明確な定義があるわけではありませんが、一般的に「残業が少ないものの、成長ができない企業」と言われます。
例えば、こんな感じの特徴を兼ね備える企業ですね。
- 1日の平均残業時間が1時間未満
- 業務の内容にほとんど変化が無い
- 昇給がほとんどない
パッと見ると、ホワイト企業だと思う方もいらっしゃると思います。
もちろん、これらの特徴はホワイト企業でも存在する事があります。
しかし、これら全てを兼ね備えた企業や職場で働く人の成長は恐ろしく遅くなりますので、将来的にリストラ対象となったり、高い賃金を得られないといった状況に陥る危険性も大いにあります。
その為、将来を考えるのであれば、ゆるブラック企業に居ると感じたら早めに転職する事をお勧めします。
なぜ成長が遅くなるのか、順番に見ていきます。
残業時間が少ない
ゆるブラック企業に限らず、働き方改革が進むにつれて、残業が少ない会社が非常に多くなってきています。
残業が無いとプライベートで使える自由な時間が多くなりますので、一般には望ましいと考えられるのではないでしょうか。
しかし、自分自身の成長を考えた場合、必ずしも望ましいとは言えない現実がありますので、ご紹介します。
尚、残念ながら自分が成長させたいと考えている方向性とは異なる職場の場合、早めに転職することをお勧めします。
経験を積めない
人が成長する場合、最も重要な要素は経験です。
1日8時間勤務を行った場合と、1日10時間勤務を行った場合では、単純に1.25倍の経験の差が生じます。つまり、残業を行わない働き方を選択した場合、1日2時間残業している人の8割の成長しか見込めない事になります。
たまに若手の方で、会社に残業するなと言われていても、退勤後、自主的に業務を行っている方もいますが、仕事が本当に好きだと考えている方だけではなく、こうした経験の差に気がついて自己成長のために行われている方もいらっしゃいます。
こうした方は、定時で帰ってプライベートを満喫している人と比較して、1.5倍以上の成長速度の差が付いていることも珍しくありません。
よく残業を行っている人が、昇進した場合、「あの人は残業を行っていて、頑張っているアピールをしているから昇進したんだ」と言われることもありますが、こうした経験の差を考えた場合、実際に成長しているから昇進ができたというケースも相当あると考えられます。
自己学習の成長速度は遅い
定時で仕事を終え、その分、キャリアアップの学習に回せば良いという意見もあると思います。
もちろん、学習をしない人よりは、当然成長はできます。
しかし、「百聞百見は一験にしかず」と言う松下幸之助さんの言葉意外にも多くの著名人が、「経験する」ということの大切さに言及しているように、経験による成長は自己学習を圧倒的に上回ります。
更に、自己学習は自分のペースで行える分、緊張感が無くなり学習の密度が低下したり、継続できなくなったりすることも多々あり、着実に成長することはかなり難しいです。
その為、自宅に帰って学ぶよりも、業務を通じて学ぶ方が、早く自分のスキルをアップさせることができます。
業務の内容に変化が無い
ある程度大きな会社や、仕組みが整っている会社に多いのですが、業務の内容にほとんど変化が無いような業務があります。
マニュアルがしっかりと整っており、書かれたまま作業すれば良い様な業務に多いのですが、他にも入社してからずっと同じ事をひたすら任されるような仕事を任され続けているような場合が当てはまります。
こう聞くと、ずっと同じ仕事だと楽で良いと考える人も居るかもしれませんが、同じ仕事を繰り返すのみという状況では、当然ですが新しい経験も知識も身につけることができません。
その為、こうした職場に居れば居るほど、同年代の人と比較するとスキルが足りない状態となりますので、相対的に市場価値が下がっていってしまいます。
学習能力が低い人材だと見られる
事実、多くの職務経歴書を見させて頂いていますが、経験年数の割にその職種において求められる業務のごく一部しか担当していないとお見受けする方がかなりいらっしゃいます。
そして、このような方の多くが面接の際に仰られるのは、「スキルアップを目指したい」「同じような年次の経験者と同様に賃金はアップしたい」という内容です。
しかし残念ながら、こうした方が内定を勝ち取れる可能性は、同じようなゆるブラック企業を除くと、そう多くはありません。
なぜなら、それまでの職歴から、「数年費やしても、これだけしか成長できない」人材だと受け取られ、一人前になるまでにかなりの時間を要すると判断される為です。
これが恐ろしいのは、折角学生時代に頑張って良い大学を出ていたとしても、成長できない人の烙印を押されてしまい、書類選考の通過率が激減する所です。
さらに、同じ期間経験を積んだ人と比べて、経験の量や質も圧倒的に足りない傾向が大きいですので、賃金アップを受け入れてくれる企業はほぼありません。大企業に居る場合はもともと賃金が割高になっていることも大いに影響します。
どこの企業でも、経歴を活かした中途採用では、即戦力かつ適正な賃金の人材を求めているわけですので、こうした方はずっと内定が決まりません。
こうした状況を打開するためには、社内で異動が可能な場合は異動を行ってみたり、副業等で新たなことに取り組んでみたり、経験を買うために一時的に賃金を下げても転職したりというように、あの手この手を工夫して自分の職業環境を変える必要があります。
昇給がほとんど無い
会社の目線で考えると、当然と言えば当然ですが、ゆるブラック企業ではほとんど賃金が上がっていきません。
前述の通り、ゆるブラック企業では行う業務にほぼ変化がありません。変化が無いと言うことは、その人が出す成果も変らないと言う事になります。
成果が変らないと、その人が直接的、間接的を問わず、会社の利益に貢献する量も変らない為、賃金を上げるとコストパフォーマンスの悪い人材となり、会社は雇用する必要性を感じなくなります。
ですが、日本では労働者の地位が非常に強く守られているため、解雇ができません。
その為、多くの会社は成果が一定であれば、賃金を上げずに使い続けるという判断を取ります。
ここで労働者側もライフステージによって、必要なお金が増減するという事を理解している普通の会社は、その人のできることを増やして、成果を上げて貰い、賃金をアップするという仕組みを取ります。
その一方、ゆるブラック企業は、逆に賃金を上げずに使い続け、賃金が足りない人が辞めたとしても、前述の通り、同じような作業を行いたい人を再度雇えばよいと考えますので、賃金が上がるという事はまずありません。
これは、どちらの考え方も経営合理化の観点からは正しく、スタンスの問題といえるでしょう。
こうしたスタンスを踏まえて考えると、「成長や成果を求められるが、昇給できる会社」と、「同じような作業を行っていれば、一定の給与がもらえる会社」のどちらを選ぶかは、働く人次第といえます。
結論として
以上のように、ゆるブラック企業では成長ができず、市場価値が相対的に下がり、将来の賃金も上がらないという現実があります。
しかし、楽である事もまた事実だと思いますので、どちらを選択するかは、個々人の自由です。
ただ、ゆるブラック企業に居ると感じ、成長に危機感を抱いた方は、早めに転職することをお勧めします。
特に若手の方は、最も成長しやすい20代をゆるブラック企業で過ごすと、同年代の人と取り返しのつかない経験の差が生まれますので、その後の社会人経験を棒に振る結果にもなりかねません。
昔から「若いときの苦労は買ってでもしろ」と言われる事が多いですが、これは、無料や自腹を払ってでもハードワークしなさいというブラック企業理論では無く、若いときの経験で、将来大きなリターンが得られると言う事を表します。
この考えを早くに気がつき、成長できる環境に身を置いた人ほど、自身の市場価値を高め、将来的に高い賃金を得られる事は想像に難くないでしょう。
もちろん、それまでゆるブラック企業に居た人が普通の会社に行くと、最初はかなりハードに感じることもあると思います。
しかし若ければ若いほど、柔軟に環境適用できるというのも事実ですし、最近では転職もしやすくなっていますので、迷っている方はぜひ成長への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。