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管理系職種の働き方の理想と現実


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こんにちは。kouです。
今回は、管理系の職種の理想と現実のギャップについて書いてみたいと思います。
※この記事の中の「管理系の職種(管理系職種)とは、いわゆるバックオフィスと呼ばれている部門の話であり、管理職を対象とした者ではありません。

定常的に人気のある管理系の職種ですが、いざ就職してみると意外と続かなかったり、事業系の職種に転換したりする人がかなりいらっしゃいます。
こうした方々にヒアリングしてみたところ、「思っていた働き方と違った」と言われることが相当に多いです。

そこでこの記事では、これから転職で管理系の職種に行こうとしている方が、転職後に後悔をするということを少しでも減らせるように、管理系職種で働くことの理想と現実を記載します。

管理系職種の理想と現実の差はなぜ起きる

採用を行っていて、管理系職種を志望される方と結構お会いする機会が多いのですが、特に未経験の方から多く感じるのは、管理系職種に対するイメージの理想と現実の差です。

管理系部門、いわゆるバックオフィスと言われる部門は、「内勤で楽そう」「残業も少なくてホワイト」「ストレスが無さそう」「同じ事をやっていれば良いから勉強が要らなそう」というようなイメージがあると思います。

もちろんそのような働き方がある事も事実です。いわゆる「経理事務」「法務事務」「総務事務」といった、事務系の業務です。しかしこの手の事務作業は、できる人が多い為、転職市場でも競争倍率が非常に高いです。
競争倍率が高いと、賃金が安くてもその職種に就きたいと考える人も多い為、賃金は世間一般の平均賃金よりも50万~100万程度は安いですし、ほぼ上がりません。なぜなら、会社は利益を上げる為に存在していますので、同じ人を賃金を上げて雇い続けるより、安い人を採用した方が良いと判断する為です。
事務職だけでそれなりにもらえていたとしても、会社の業績悪化等でリストラを行う場合には当然事業部よりも優先して対象になる可能性が高いですので、それなりのリスクはありますし、転職するにしても高い賃金で事務を雇う会社はほぼありませんので、転職できないか、大幅に賃金を減らす転職しかできなくなります
また、人の少ない中小企業ではそもそも単なる事務作業だけやれば良いという人を雇うだけの体力が無い会社も多いので、結局専門職としての動きが求められる事が多いです。

そうなると、単なる事務ではなく専門職としての働き方が中心となりますが、世間一般にはこの単なる事務としての働き方が、管理系の職種の働き方と認識されてしまっているが故に、理想と現実でかなりギャップが生じていると感じます。そこでこの記事では単なる事務ではない管理系の職種についての現実を見ていきます。

内勤なので楽という事実に隠されたデメリット

管理系の職種は内勤が多いです。その為、この点については概ね当てはまります。

但し、最近はやりの「リモートワーク」を希望する場合、現実は少々異なります。
私の会社は、周囲の会社の方が聞いて驚くほどリモートワークを行う体制が整っていますが、それでも管理系の職種は週に1回以上の出社を行っています。と言うのも、管理系の職種は郵送物の対応や、社外持ち出し禁止の秘密情報の取り扱い、社印の使用など、他の職種以上にオフィスでしか行えない業務が多い為です。

従って、管理系の職種については、内勤ができるというより、内勤せざるを得ないというのが正しく、例えコロナがまん延しようが、他の職種以上に出社が求められます

管理系職種で転職を希望する際の条件に、「フルリモートワーク希望です!」と書いている方はかなり多いのですが、当然ほとんど転職できていないというのが実情です。

残業が少なくてホワイトと言う大きな誤解

これについては、半分事実であり、半分は事実ではないです。

というのも、仕事が少ないときや順調な時は、定時帰りも可能ですが、管理系の職種は業務の波がある上、自分で期限を調整することがかなり難しい為です。
例えば、経理であれば、3月決算の会社であれば、GWをしっかりと取れず、毎日終電という会社も多々あるかと思います。人事であれば、求職者の方の予定に合わせて面接を行うケースも多々あり、休みの日や夜に業務が発生しますし、労務であれば、入退社が発生した場合や、年末調整もかなり作業時間を取られます。
社員のPCの不具合があれば、情報システム担当者は終業後であっても対応を求められる会社も多いですし、法務についても月末などの契約が重なる時期や急ぎの契約案件による臨時対応が頻発します。

このように、管理系の職種は意外と業務量に波がありますし、かつ、自分で期限を調整することが難しい業務が多い一方、人が豊富にアサインされるわけではありませんので、人がアサインされやすい事業部系の職種以上に、自分でコントロールできない残業が発生します。

ストレスが無いと言う誤認

これについては、会社や職場による部分も大きいですが、かなり偏った認識です。

その理由の一つ目は、「残業が少なくてホワイトと言う誤解」にも書いたとおり、コントロール不能な業務の発生があります。人は自分で業務をコントロールできる程、満足度が上がり、ストレスが下がる傾向がありますが、管理系の職種では自分でコントロールできない業務が多く、ストレスが上がりやすい状態となります。

理由の二つ目は、他の社員への配慮を常に求められると言う点です。管理系の人はルールを作って偉そうに指示しているので、むしろ配慮するシーンは少ないと思われる方もいらっしゃると思いますし、そうした勘違いスタッフも中にはいますが、そうしたスタッフを野放しにする会社は廃れます。
というのも、管理系の職種は会社を円滑に回すことを目的として設置されている為、配慮ができず他の社員から反発が起こるようでは存在価値が無くなる為です。お客様に対するよりも謝罪の難易度は低いとは言え、一度の失敗が影響する期間はお客様よりも長く、かつ、会社の業績にもダイレクトに影響することもありますので、管理系の職種では想像以上の配慮が求められます。

従って、管理系の職種は想像以上にストレスが高く、ストレスが無いと考えて転職された方などは、半年持たずに転職されるケースも多々あります。
ところで、個人的にはエンジニア > PM(営業込) > 管理系部門 > ITコンサルの順でストレスが少なかった印象です。コンサルは闇・・・というより病み。

勉強が要らないと言うウソ

よく管理系の職種は同じ事を繰り返しているという認識を持たれますが、事実と大きく異なります。

会社を取り巻く環境は、毎年めまぐるしく変ります。法律が作られ、改定され、行政通達が発行されるというように、同じ環境のまま事業を行える年はほぼありません。事業系の職種ではこうした変化のうち、市場の変化以外については、ほぼ認識する機会は無いと思いますが、これは管理系の職種の人がそうした変化を吸収し、業務への影響を最大限抑えるようにコントロールを行っている結果です。
よく事業系の職種の人が、「他社の例を参考にすれば良い」と言われる場面を見かけますが、これは比較的環境の変化が緩やかな、恵まれた環境に居るが故の発言であり、同じ温度感で管理系の業務を行うと、あっさりと違法状態になるケースもあります。

その為、管理系の職種では、常に情報の強制的なアップデートが求められますし、アップデートできないとリアルに仕事ができない人になります。仕事中に勉強すれば良いと考える方もいらっしゃると思いますが、その分、会社で出せる成果が減り、パフォーマンスの低い人という評価を受けて、結局、リストラ予備軍や昇給対象外となってしまいます。

従って、プライベートでも勉強を続ける事は、管理系の職種では必須となります。

まとめ

以上のように、管理系の職種では世間一般のイメージとは相当に乖離した事実があります。

しかし一般的にこうした事実はなかなか出回っていないので、折角、狭き門をくぐって管理系の職種に就けても、現実を目の当たりにして「こんなハズじゃ無かった」と、退職される方がかなりいます。その上、更に悲劇的なのは、「他の会社では理想的な環境があるに違いない」と転職を続けるパターンに陥るケースです。

こうなると、転職回数が増える一方、目立つ成果も無く、当然専門性を身につける時間も無くなりますので、市場価値が恐ろしく低下し、事務としての就業すら難しくなっていきます。

こうした不幸な転職を行わないためにも、管理系の職種への転職を志望される方は、この記事のような現実があるという事を認識した上で、本当に自分が進みたい道かどうか、今一度見極めてみて下さい。

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